選択とは?
選択とは、平たく言うとこれから行う作業の対象を決定する作業のことです。
Gimpでは、まず作業対象を選択してから、次に作業内容を指示するのが一般的です。
別の言い方をすれば、「○○を●●する」の「○○」を指示するのが選択です。
GIMPには対象や領域を指定してから行うことがたくさんあります。
たとえば、領域の切り取りや複写などです。
選択はGIMPをマスターするうえでの肝となるので確実にマスターしてください。
選択は画像処理においてもっとも重要な行程と言えます。
そのため、Gimpではさまざまな選択の手段が用意されています。
選択はアクティブなレイヤーに対して行われます。
範囲選択して何か操作をしても反映されない場合は、アクティブなレイヤーを確認してください。
選択範囲の加算・減算・乗算
複雑な範囲を選択するには、選択を複数の段階に分けて行います。
選択範囲の加算(加える)、減算(引く)、乗算(交わり)
選択範囲の移動、拡大・縮小
選択直後の矢印は、左上を固定して、幅・高さの変更になります。
移動するには、選択範囲の中央付近にマウスカーソルを持っていき、十字のカーソル形状になったらドラッグします。
あるいは、十字のカーソル形状になった状態で、矢印キーを使って移動します。
選択ツール
選択するには選択ツールを使います。
GIMPには用途に応じた選択ツールが複数用意されています。
真円、正方形を選択するには、ドラッグを開始してから[Shift]キーを押し、ドラッグを再開します。
ドラッグ開始前に[Shift]キーを押してしまうと領域の追加を意味するので注意してください。
ちなみに領域の削除は[Ctrl]キーです。
現在の追加・削除のモードは、マウスカーソルに「+」や「-」が表示されて分かるようになっています。
追加モードで正方形・真円
[Shift]キーは追加にも使いますし、正方形(新円)を描くのにも使います。
では、追加モードで正方形・新円を描くにはどうしたらよいのでしょうか?
答えは、≪[Shift]キーを押したままドラッグを開始し、一旦[Shift]キーを離して再度押す≫です。
クイックマスク
今までのところ、選択とは、選択されている部分と選択されていない部分にくっきりと分かれるような説明をしてきました。
実際には、選択とはもっと柔軟性があって、50%選択や、10%選択といったことも可能です。
選択範囲の境界線として表示される「蟻の行進」は、選択の度合いが50%以上とそれより小さい領域の境目を表すに過ぎません。
初心者のうちは、選択の度合いを可視化する必要はほとんどありませんが、上級者になると選択度合いそのものも描画ツールを使って微妙な選択度合いを作り出す必要が出てきます。
この目的で使用されるのがクイックマスクと呼ばれるツール(モード)です。
※注意:一旦クイックマスクモードに入ると通常とは全くことなる動作となります。特に初心者はクイックマスクモードに入ったことに気が付かずにパニックになることがあります。デフォルトではShift+Qのショートカットが割り当てられていてそうそう間違えて押すことはないでしょうが、画面の左下の小さいアイコンを押しても作動してしまうので注意が必要です。大抵の場合、クリックマスクモードに入ると、画面がうす赤色になるので、もしこの状態になってしまった場合は、再度Shift+Qを押してクイックマスクモードを脱出しましょう。
◆選択
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-painting.html#gimp-concepts-selection
◆選択ツール
短形選択
楕円選択
自由選択
ファジー選択
色域選択
電脳ばさみ
前景抽出選択
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-tools-selection.html
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-tool-rect-select.html
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-tool-ellipse-select.html
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-tool-free-select.html
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-tool-fuzzy-select.html
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-tool-by-color-select.html
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-tool-iscissors.html
http://docs.gimp.org/2.8/ja/gimp-tool-foreground-select.html
4つの選択モード
置換
加算
減算
乗算
◆選択の実効k範囲
選択はアクティブなレイヤーに対してのみ効力を発揮する。
また、レイヤーの境界外には効力を発揮しない。
範囲を選択すると、有効な選択範囲の周りに蟻が行進する。
無効な範囲の周りには点線で境界が表示されるが蟻は更新しない
範囲を選択してからでも、アクティブなレイヤーを変更することができる。そうすると、有効な選択範囲もそれに応じて変更される。
◆選択範囲の移動
短形選択および楕円選択と、それ以外の選択ツールでは選択範囲の移動に関して挙動が異なります。
短形選択および楕円選択で選択範囲を指定した直後では、その選択範囲の周りにハンドルが表示されます。
選択した後でもハンドルをドラッグすることで選択範囲を拡大・縮小することができます。
また、選択範囲の内部にカーソルを移動すると選択範囲の移動モードになり、ドラッグして移動することができます。
(選択範囲の中が移動するわけではありません)
この状態で内部をクリックするか、Enterキーを押すと選択範囲が確定し、選択範囲の移動はできなくなります。
ただし、もう一度内部をクリックすると再度移動モードに変わります。
(短形選択および楕円選択)以外で選択した選択範囲を移動するためには、Altキーを押しながらドラッグします。
短形選択および楕円選択でも、同じ操作が可能ですが、この場合、移動直後は移動モードから脱出して選択範囲が確定してしまうことに注意してください。
◆クイックマスク
現在の選択範囲を可視化する。あるいは可視化した選択範囲を加工する。
左下のIconをクリックするとIconが赤くなる。これがクリックマスクモード。もう一度クリックすると通常のモードに戻る。
クリックマスクの色は赤の不透明度50%が規定値だが、右クリックで表示される設定メニューから設定画面を開いて変更可能。対象が赤っぽい場合は他の色に変えたほうが作業しやすい。もちろん、普段から自分の好きな他の色を使ってもかまわない。
選択率が50%以下の範囲は選択範囲としては表示されないが、ちゃんと選択されていることに注意